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無能の人

無能の人・日の戯れ


無能の人・日の戯れ
つげ 義春 (1998/02)
新潮社
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漫画家として行き詰った<私>は、他人の目にはろくでなしに映るかもしれない。
ろくに働かず稼ぎも無く、妻子にさえ罵られ、奇天烈な空想に耽りながら、無為な日々を過ごしているのだから…。

甲斐性のない漫画家の悶々とした日常を描く「無能の人」、競輪場の車券売り場窓口越しに仄かに通い合う夫婦の愛「日の戯れ」など、滑稽かつ哀切な人間存在に迫る<私>漫画の代表作12編集成。


~文庫本・裏表紙より転載


「無能の人」、今の私にうってつけのタイトルです。
(自嘲・卑下しているのではないのでご心配なく。)
つげ氏、好きです。
ただマニアックなファンの方が大勢いらっしゃるので軽~く紹介するのはおこがましいと思い、今まで紹介しませんでした。
が、今まさに満を辞しての紹介です。笑


「無能の人」の主人公は漫画の描けない(描かない)漫画家。
家庭を支えるために仕方なくパートに出る妻と喘息持ちの幼い息子を持つ中年男性です。
漫画を描くのに行き詰ってしまい、いろいろな商売を始めるのですがどれも上手くいかないし長続きもしません。
川原で拾ったタダの石にタイトルをつけて売ってみたり、渡し場の番人、墓掃除人、骨董品屋、カメラの中古品屋、古本屋…などなど。
やりたくて始めた商売でもなく、ただ元手がかからず、面倒な手続きを必要とせず、他人との接触が少なくてすむという理由だけで始めるのだから、成功するはずがありません263
やる気があるとかないとか、世間体とか以前に「欲」のない男なのです。
そんな男が家庭を築いているのも不思議ですが。
家族との生活のためにとりあえず商売をしてみても、必死さは感じられません。
何かを否定・拒絶しながら生きているわけでもありません。
ただ行雲流水のように生活しているだけです。


忙しい毎日を過ごしていたら、ふと空を見上げて風になりたい、どこか飛んで行きたいと思うことってありませんか?
他人を傷つけるのもいやだし、傷つけたくもない。
だから他人と関わることを苦手に感じる。
社会のしがらみを捨て、仙人のような生活をしているのが主人公であり「無能の人」と呼ばれるのです。
家族があることでかろうじて下界と繋がっているような。
でもこれだけ勝手な生活をしていても、決して主人公は幸せとも不幸せとも感じないんです。


無能の人=生産性の無い人。
あるがままに生きている人のことでもあります。
この漫画、悲壮感はありません。
浮世離れしているかと思いきや、意外と現実味もあって。
読んで元気になれるものとも違いますが。
悟りに近い浮遊感を読後感じます。


余談ですが、つげ氏の背景画が好きです。
奇妙で不思議で懐かしい。
「千と千尋の神隠し」を観た時にも同じような印象を持ちます。

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2006年10月18日 | | トラックバック:0 | コメント:0

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